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トリック用語解説

トリックの名前に「フェイキー」や「BS」など単語が付いているのを見たことがありますか?
このような用語の意味や略称をあらかじめ確認しておくと、トリックを練習する際に役立ちます
多くのロングボーダーが当初混乱しやすい内容ですが、迷ったときに繰り返し確認することで、感覚的に理解することができるようになるでしょう

トリックに関わるロングボード各部のなまえ

トリックの説明を行う際によく使われるロングボードの各部名称を下記に定義した
ふたつあるキックは進行方向側のキックをノーズキック、逆側をテールキックとする
キックの間にある幅広部分、両サイドのトラックの間をダンスフロアとし、その両サイド部分をエッジとする


スタンスとポジションについて

多くのスケーターが、初めてプッシュをする際にレギュラースタンスかグーフィースタンスかを決める
これは「なんとなくやりやすい方」という本人のフィーリングで決めることが多い
そんな基本スタンスと、トリックによって変化する左右の足のポジションを下記の通り定義する
なおイラストはオーリーというトリックを行う際の状態を例にした場合である


トゥサイドとヒールサイド/ノーズ側とテール側

当サイトの各ページにおいてトリックやステップの説明を文章で行う際に、デッキのどの部分をどのように呼称するか、定義する
まず前提として、トゥサイドやヒールサイドという呼称はステップやトリックを始める際の方向で固定し、トリック中に身体が180度展開したとしても、入れ替えないこととする
たとえば、レギュラースタンスのスケーターが180ステップを行う際、初めは進行方向右側につま先があるので、こちらをトゥサイドと定義することになる
そして、ステップ3までを行い、つま先が進行方向左側に向いたとしても、このトリックにおいては進行方向右側をトゥサイドとして固定し、トゥ/ヒールサイドの入れ替えは行わないこととする、ということである
しかし、このようにトリック中に入れ替えが生じ、どちらがトゥ/ヒールサイドとなるかわかりづらい場合は、そのページにおいてトゥ/ヒールサイドという定義付けは行わず、右/左で指定するものとする
この場合、レギュラーとグーフィーによって左右逆側するため、括弧書きでグーフィーにおける左右を追記することとする。

ローテーション(転回)

ショービットではデッキを、ピルエットでは身体を回すように、トリックを行う上で水平回転は最も重要な要素の一つである
このローテーション(転回)の動作を行うとき、時計回りとするか、反時計回りとするかによって、トリックの性質が異る
多くの場合は

と呼ばれる(※例外あり。後述)

また、スライドトリックなどでは下記のように言い換えられることがよくあるため、合わせて覚えておくことで役立つ
※括弧内は略称

例外1:フェイキー

フェイキーのポジションでトリックを行う際、ローテーションの定義が逆転する
具体的には、進行方向に対して

と呼ばれる(出典:英語版Wikipedia-Frontside and backside-)

下記の例はグーフィースタンスのスケーターがフェイキーで行うFSノーコンプライビックスピンというトリックであるが、
かかと側へデッキと身体を転回しているにもかかわらず、フロントサイドと呼ばれていることがわかる

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上記はしばしばロングボーダーの間で議論を呼ぶ内容だが、これはロングボードとスケートボードとの、デッキ形状の違いにより生じた問題と思われる
スケートボードの場合、ノーズとテールが明確に区別され、デッキのキック形状も異なる事が一般的である。したがってフェイキーの定義も「テールを進行方向へ向けて進む」ポジションと明確に定義することができる
それに対し現在普及しているダンシング/フリースタイル用のロングボードの多くは前後のキックの形状が同一である場合が多い。そのため単純に進行方向側のキックをノーズ、逆側をテールと呼ぶことが一般的であるし、このサイトでもその前提で記述している(ローデッドのバングラなど、大定番にして例外となる例もあるが)
つまりスケートボード経験者でなく、バングラのようなデッキにも乗ったことがないロングボーダーにとってはそもそも「テールを進行方向へ向けて進む」という発想がないのである!(進行方向に向いているキックをノーズと呼んでいるのだから!)
このことにより、ロングボードでは特定の状況下において「フェイキーとスイッチの混同」という問題が生じる
レギュラースタンスのスケーターが行うショービットを例に上げる。ロングボードにおいてショービットとは進行方向側のキックに左足を置いて行う「ノーリーショービット」が基本形である
では進行方向側のキックに右足を置いて行う場合はスイッチショービットか?それともフェイキーショービットか?
ノーリーショービットを基本形として捉え、左右逆転して行うという発想であればスイッチショービットと呼ぶのが適当だろう
一方でスケートボードに倣い右足をテールにおいて行うショービットが基本形として捉えた場合にはフェイキーが適当という発想になる
両者とも同じ進行方向へ進み、同じキックを同じ足で踏んでいるのにも関わらず、「基本形が何か」という着眼点の違いで認識に違いが生じてしまうのである
これはどちらも間違いとは言えず、日本のロングボードシーンにおいても答えは出ていないので、自分の認識しやすい方を採用すれば良いと思われる
ただし、フェイキーとして捉えた場合はFS/BSが基本形と逆転するという点は忘れてはいけない
先述のレギュラースタンスのスケーターが右足を進行方向側のキックにおいて行うショービットの例で言えば、つま先側にデッキを回す場合はスイッチでは基本形と同じくFSだが、フェイキーとして捉えた場合はBSとなる点に注意が必要である。逆を言えば、フェイキーFSショービットと銘打っておきながら、つま先側にデッキを回した場合は明確に誤りと言えるだろう

例外2:セクションにおけるスライドトリック

レールなどのセクションにおいてスライドトリックを行う際において、「フロントサイド」「バックサイド」という言葉は異なる意味を持つ
この場合は、トリックを行うためにセクションへ近づく段階で、対象のセクションがスケーターのつま先側にあるか、かかと側にあるかによって呼び分けが行われる すなわち、

となる
例えばレギュラースタンスのスケーターが「フロントサイドボードスライド」を行う際は、ハンドレールなどのセクションがつまさき側(身体の正面=フロントサイド)にある方向から進入していくことを指す
スライド開始から完了までは進行方向にスケーターの背中が向くため、これを「バックサイドボードスライド」と思いがちだが、下図のようにあくまで進入時のスケーターとセクションの位置関係で判断するべきである
(出典:英語版Wikipedia-Frontside and backside-)

バックワードとフェイキーの違い